野球やサッカーのプロスポーツにおいての「選手育成プログラム」は、日本でもよく見ますが、ゲームで対戦試合を行う世界中で注目されているeスポーツの選手育成プログラムはまだあまり見ませんよね。
そんな中、有名ファッションブランド「Gucci」は、次世代のプロゲーマーを育成することを目的としたeスポーツの専門学校をスタートしました。今回は、世界中のセレブからファッショニスタまで愛用者の多いGucciが、eスポーツの選手育成に対してどんなプログラムを用意したのか見ていきしょう!
Gucci(グッチ)について
世界的にとても有名なブランドGucciは、20世紀初頭にイタリアで生まれた高級ブランドです。日本でも、Gucci バッグやサングラスを愛用している方は少なくありませんよね。さらに、今年はレディー・ガガ主演でグッチ一族に起きた暗殺事件を描いた映画『ハウス・オブ・グッチ』も公開されており、話題に事欠きません。現在、Gucciはファッションブランドにとどまらない幅広い展開を行っており、目が離せないハイブランドです!
Gucciのeスポーツ選手育成プログラムとは
2022年5月23日にeスポーツプラットフォーム「FACEIT」は、世界保健機構(WHO)の協力を受け、Gucciと共同でeスポーツ選手育成プログラムの「Gucci Gaming Academy(グッチ・ゲーミング・アカデミー)」の設立を発表しました。
プログラムに参加するゲーマーたちは、Gucciが立ち上げたeスポーツの専門学校でプロ契約を結ぶまでサポートがあります。eスポーツ選手育成プログラム「Gucci Gaming Academy」でのサポート内容は次の通りです。
- 「Gucci Gaming Academy」の学生である限り、毎月経済的な援助
- ゲームの内外問わず、フルタイムでプロのコーチによる指導
- パソコンの有名メーカーDell(デル)が提供するプレミアムゲーミングパソコンAlienware(エイリアンウェア)のパソコンとモニター支給
- 世界有名なPC周辺機器メーカーLogitech(ロジクール)のゲーミングデバイス支給
- 世界保健機関(WHO)による、健康に関する専門知識とサポート
- eスポーツを専門とする心理学者による「ストレス下でのパフォーマンス発揮」「チームワーク」「インタビュー対応」などをテーマとしたメンタルヘルスサポートのセッション
- Gucci エデュケーション・プラットフォームを介して、各学生のために特別に設計されたITトレーニング
- Gucci Changemakersボランティアプログラムによるコミュニティ体験
- アンバサダーと毎月1回の1対1のセッション
- eスポーツキャリアを促進するGucciおよびFACEITネットワークへの参加
Gucci Gaming Academy、最初のタイトルは「CS:GO」
eスポーツ選手育成プログラム「Gucci Gaming Academy」の最初のタイトルは、eスポーツの公式競技の1つで、2019年には国際大会の種目ともなった「CS:GO(カウンターストライク:グローバルオフェンシブ)」が選ばれました。
世界的に超有名なタイトル「CS:GO」は、5人1チームで戦う基本プレイ無料のFPSシューティングゲームです。「CS:GO」では、攻める役割のテロリストチームと、守る役割のカウンターテロリストを担当するチームに分かれ、15ラウンドでは攻守交代し、先に16ラウンドを獲得したチームの勝利となるゲームシステムです。
既に4人の参加プレイヤーが選出
eスポーツ選手育成プログラム「Gucci Gaming Academy」の初期メンバーのスカウトは、eスポーツプラットフォーム「FACEIT」内のデータを分析して行われました。そして、コーチによる面接やテストなどを経て、プログラムの参加者としてmwlky選手、shadiyy選手、DGL選手とEspiranTo選手の4人が選出されました。
今後は、「FACEIT」プラットフォームのマッチメイキング、「FACEIT Pro League」と「FACEIT Pro League Challenger」を通じて、スカウトが実施されるそうです。しかし、現時点ではヨーロッパと北米に拠点を置くプレイヤーたちだけがスカウト対象になっています。将来的には、他のeスポーツタイトルと他の地域へ拡大したいと考えているようなので、日本プレイヤーにも参加するチャンスが訪れるかもしれませんね。
コーチやその他のアカデミーメンバーは?
今のところ、上記で紹介した4人の初期メンバー以外に2人のコーチと3人のアンバサダーたちが発表されています。コーチに就任したのは、Neil “NeiL_M” Murphy氏とColin “KOI” Thor氏。それぞれヨーロッパと北アメリカでのスカウトとメンターシップを担当します。そして、アンバサダーにはカウンターストライクシリーズのレジェンドであるChristopher “GeT_RiGhT” Alesund選手と、Stephanie “missharvey” Harvey選手が就任。さらに「FACEIT」メディア部の部長(Vice President)で、「CS:GO」のコメンテーターとして活躍しているJames Bardolph氏もアンバサダーに選ばれています。
最後に
日本国内では、eスポーツで活躍できる場は少なく、賞金制の大会も少ないため、あまり知られていない内容だったと思います。しかし、海外ほどではないですが日本でもeスポーツが徐々に普及しつつあります。欧米諸国と同じように日本国内でも、高級ファッションブランドがプロeスポーツチームとコラボしたり、ゲーマーを育成するアカデミーが作られたりする日が来て欲しいですね。