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高齢者にeスポーツはおすすめ?認知症予防に良い?ジャンルも紹介!

近年、高齢者の間でeスポーツへの関心が高まっています。定年退職後の生きがいづくりや、認知機能の維持を目的として注目を集めているのです。本記事では、高齢者にeスポーツがおすすめできる理由や、認知症予防への効果、さらに始めやすいジャンルについて詳しく解説します。

高齢者にeスポーツがおすすめな理由

eスポーツは電子機器を使った対戦競技で、体力勝負ではありません。そのため年齢や性別、身体的なハンディキャップに関係なく参加できるバリアフリーな特性を持っています。車椅子を利用している方でも、コントローラーさえ操作できればプレイ可能です。現在60歳以上の世代は、1970年代後半のスペースインベーダーブームを経験したゲーム第一世代でもあり、デジタル機器への抵抗感が比較的少ない傾向があります。

社会参加と交流の機会

定年退職や加齢により、日常的な人との関わりが減少しがちなシニア世代にとって、eスポーツは新たな交流の場となります。同じゲームを楽しむ仲間との会話や、チームでの協力プレイを通じて、孤立を防ぐ効果が期待できるのです。また子どもや孫世代と共通の話題を持てるため、世代を超えたコミュニケーションのきっかけにもなります。実際にシニア向けの体験会では、参加者から前向きな気持ちが生まれたという声が多く聞かれています。

達成感と生きがいを得られる

eスポーツでは、勝利や高いスコアの達成といった明確な目標を設定できます。日常生活では得にくい達成感や幸福感を味わえる点が、シニア層のモチベーション維持につながっているのです。上達する喜びを感じながら、継続的に取り組める趣味として定着しやすいでしょう。練習を重ねることでスキルが向上し、自己肯定感の向上にも寄与します。

高齢者のeスポーツは認知症予防に効果的か

eスポーツが認知機能の維持や改善に役立つ可能性について、複数の研究で示唆されています。ゲームプレイ中は状況判断のために頭を使い、コントローラー操作で指先を細かく動かすため、脳への刺激が期待できるのです。

認知機能の維持・改善が報告されている

研究によると、eスポーツを実施した高齢者グループでは、選択的注意や集中力を測るストループ検査で正答数が増加しました。また注意力やワーキングメモリーを評価するTMT検査では、解答時間の短縮が確認されています。ゲームを通じて脳の血流が促進され、理解力や判断力、記憶力といった認知機能の維持につながると考えられているのです。

軽度認知障害への取り組みも進む

医療機関では、軽度認知障害の高齢者を対象としたプログラムにeスポーツを導入する動きがあります。三重大学病院の脳活っ塾などがその例です。奈良県で実施された実証実験では、65〜75歳のアクティブシニア層14名を対象にスポーツクラブの一環としてビデオゲームを用いた教室を行ったところ、認知機能改善への効果が見られました。ただし短期的な体験だけでは効果が限定的で、継続的な取り組みが重要だとされています。

引用:JCG

社会参加が認知症リスクを軽減

eスポーツによる社会参加や他者との交流は、認知症の発症リスク軽減にも寄与する可能性があります。外出機会が増え、前向きな気持ちや行動の変化が生まれることで、精神的な健康が保たれるのです。コミュニケーションを取りながらプレイすることで、脳への刺激がさらに高まると考えられています。

高齢者におすすめのeスポーツジャンル

eスポーツには多様なジャンルがあり、シニア層には操作がシンプルで理解しやすいものが適しています。ここでは代表的なジャンルと、実際に高齢者向けイベントで採用されているタイトルを紹介します。

パズル・脳トレ系ゲーム

ルールが分かりやすく、考える力や判断力を鍛えられるジャンルです。ぷよぷよeスポーツは、シンプルな操作ながら連鎖の組み立てに奥深さがあり、1人でスコアを競うモードも用意されています。テトリスも定番タイトルで、多くのシニア層に馴染み深いゲームです。

リズムゲーム

音楽に合わせて体を動かすジャンルで、操作が簡単なため初めての方でもハードルが低いのが特徴です。太鼓の達人は専用の太鼓型コントローラーやボタンで操作でき、昔の人気曲も多数収録されているため、シニア世代にも親しみやすいでしょう。

レーシングゲーム

車好きな方に特におすすめのジャンルです。ハンドル型コントローラーを使用すると、実際に運転している感覚が得られます。グランツーリスモ7では、タイムトライアルモードで自分のペースで楽しめるほか、車高やエンジンのカスタマイズ要素も充実しているのです。マリオカート8デラックスは、よりカジュアルに楽しめるタイトルとして人気があります。

スポーツゲーム

サッカーや野球などのシミュレーションゲームは、戦略やチーム連携が求められます。年齢による有利不利が少なく、元となるスポーツと同じルールのため、観戦する側にも分かりやすいジャンルです。FIFAシリーズやウイニングイレブン、NINTENDO SWITCH Sportsなどがあり、スポーツ観戦が好きな方には特に楽しめるでしょう。

対戦格闘・シューティング

本格的なeスポーツ体験ができるジャンルで、思考力や反射神経が鍛えられます。VALORANTは戦略性の高いFPSで、秋田県のシニアプロチーム「MATAGI SNIPERS」が採用していることで知られているのです。STREET FIGHTER 6は個人戦で楽しめ、1人プレイモードも充実しています。

高齢者向けeスポーツの具体的な取り組み

全国各地で、シニア層がeスポーツを安心して楽しめる環境が整いつつあります。専用施設や大会、自治体の支援など、様々な形で普及活動が進んでいるのです。

大会とプロチームの活躍

シニア限定の大会「LEGEND CUP-OVER60 ESPORTS-」など、60歳以上のみが参加できる大会も開催されています。秋田県では平均年齢69歳のシニアゲーミングチーム「MATAGI SNIPERS」が発足し、展開の速いVALORANTを主戦場として活動中です。週5日の練習や配信を行い、本気で強さを追求する姿勢が全国の高齢者に希望を与えています。

まとめ

高齢者にとってeスポーツがおすすめな理由は、認知機能の維持や社会参加の促進に役立つ可能性があるためです。パズルやリズムゲームなど、操作がシンプルなジャンルから始めることで、無理なく楽しめるでしょう。適切な休憩や他の活動とのバランスを意識しながら、新たな趣味として取り入れてみてはいかがでしょうか。

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