世界的人気のeスポーツ『VALORANT』において、日本チーム・ZETA DIVISIONが驚きの快挙を達成しました。日本時間、2022年4月10日(日)～24日(日)にかけて、アイスランドのレイキャビクにて行われた世界大会「VALORANT Champions Tour 2022: Stage 1 Masters – Reykjavík（VCT 2022 Stage 1 Masters）」で、なんと世界3位に輝いたのです！
日本は、これまで世界大会で実績を残すことができず、長年に渡り弱小国としての評価を余儀なくされてきましたが、「VCT 2022」におけるZETA DIVISIONの活躍で、日本タクティカルFPSの実力を世界に知らしめました！今回は「VCT 2022」と世界大会でのZETA DIVISIONチームの活躍について語ります。
『VALORANT』について
『VALORANT』は、無料でプレイすることができる魅力的なeスポーツです。日本だとそこまで知名度は高くないですが、世界的にみると競技人口が多い、人気を誇るPCゲームです（スマホ版はありません）。先日の世界大会でのZETA DIVISIONの活躍によって、日本でも『VALORANT』の注目度が爆発的に伸びています。特にTwitterでの注目度が高く、世界のTwitterトレンドの1位にもなったほどです。
主なeスポーツ 種目「FPS」に該当する競技性の高い本タイトル。高い精度が要求される銃撃戦とエージェント（キャラクター）ごとの特殊能力を組み合わせながら、プレイヤーの戦略的選択や柔軟なアイデア、一瞬のひらめきから産まれるチャンスが勝利に導いてくれます。
「VALORANT Champions Tour 2022」とは
「VALORANT Champions Tour（通称：VCT）」は、「Challengers」「Masters」「Champions」の3段階で構成されています。
地域大会である「Challengers」は、年2回の開催。オープン予選と本戦から勝ち上がったチームは、各地域を代表するチームが集結する「Masters」（国際大会）に出場します。「Masters」も年に2回の開催で、シーズンのフィナーレを飾る「Champions」では世界最高峰のトーナメント戦です。これを制覇したチームが『VALORANT』世界王者となります。次回のVCTは国内大会「2022 VALORANT Champions Tour – Stage2 Challengers Japan Week1 Open Qualifier」です。
世界中のFPSファンの心を掴んだ「ZETA DIVISION」
『VALORANT』ジャンルのタクティカルFPSにおいて、日本代表チームは世界大会のグループステージにも突破できず、1勝を上げることも難しい状態が続いていました。歴代の日本代表チームは、心ない人たちから「日本の恥」、「スポンサーのお金で海外旅行とはいい身分」、「引退しろ」などという罵詈雑言を浴びせられていました。今大会の下馬評においても、もっとも評価の低いチームだった日本代表のZETA DIVISION。しかし、その大活躍で状況を一変させました。
初戦は厳しい結果に
ZETA DIVISIONは初戦で、アジア地域を代表する強豪・DRXと対戦。韓国代表のDRXは、『CS: GO』からタイトル移行した選手達が在籍しており、ZETA DIVISIONとは長年のライバルです。しかし、手も足も出ないという状態での完敗という結果に、衝撃を受けて「また今年もダメか」と諦めかけていた人が大半だったと思います。
強豪チームを次々と撃破
しかし、そこで終わらないのが今年のZETA DIVISION！『VALORANT』で強いといわれているFnatic、Ninjas in Pyjamas、Team Liquid、Paper Rexといった世界の有名eスポーツチームを次々に撃破していきます。このジャイアントキリングの連続とともに、世界中から応援されるチームとなっていきました！各試合ごとに成長が感じられ、そして何よりもZETA DIVISIONの選手たちの情熱を持って取り組む姿勢が、世界中の「VCT 2022 Stage 1 Masters」視聴者の心を掴み、日本チーム応援ムード一色に塗り替えるほどに魅せてくれました。
世界3位でも満足しない ZETA DIVISION！目指すは世界一！
タクティカルFPSで世界3位というのは、過去20年で初の快挙です。そのすごさを例えるなら、サッカー日本代表がＷ杯で3位になったようなものなのです。ZETA DIVISIONチームの躍進を誰もが賞賛し、世界からの祝福を受けましたが、選手たちの受け止めかたは違っていました。アメリカの強豪・OpTic Gamingに敗北した後のインタビューで、「全然満足していない」とLaz選手は述べ、crow選手は「本当に悔しいので、つぎはもっと強くなって帰ってきます」とコメントしました。
世界一になることが目標であるZETA DIVISIONにとって、今回の3位はあくまで通過点にしか過ぎず、満足していないことをみせてくれました。世界3位で悔しがるZETA DIVISIONのメンバーはまさに負けず嫌いのプロであり、満足せず世界一を目指すという鉄の意志を持っています。応援しがいのあるチームですね！
最後に
これまで、主要FPSタイトルでの日本代表の戦績は、2019年に野良連合が『レインボーシックスシージ』の世界大会にて残したベスト4でしたが、最弱の地域から出てきた日本代表が、『VALORANT』で世界ベスト3という偉業を成し遂げました。ZETA DIVISIONの活躍に刺激を受けた人は、是非『VALORANT』をプレーしてみてください。数年後に歴史に名を刻むのはあなたかもしれません！