皆さんはスポーツと言えば何を思い浮かべますか?サッカーやバスケットボールといった王道のスポーツを答える人が大半だと思います。「体を動かす」という概念がスポーツの定義とされていますが、近年ニュースや雑誌で取り上げられているe-Sportsも一種のスポーツとして認知されてきています。今回はそんなe-Sportsについて、60歳を超えるシニア層との関係について紹介していきます。
e-Sportsとシニア世代
e-Sportsと聞くと「ゲーム」のイメージが強く、若者を思い浮かべる人が多いと思います。実際にプロチームに所属する大半の選手が10代だったりと若い世代が多いです。しかし、実はシニア世代もe-Sportsの世界に進出しており、2020年に神戸で日本初となるシニア専用e-Sports事業が開始されています。これは初耳という方も実際に多いと思います。筆者もゲームをよくプレイしますが、少し前までは全く知りませんでした。
シニア世代にとってのメリット
e-Sportsを通して、シニア世代の方も様々な恩恵を得ることができます。
- 様々なジャンルのゲームで脳や指を動かし、認知症予防になる
- 外出することで孤立することが無くなる
- 同じ世代や違う世代の人とコミュニケーションをとれる
- 楽しみが増える
- やりたいこと、目標の選択肢が増える
高齢化が進む日本では、多くの人が孤立してしまったり、外出できなくなったりと様々な問題が存在します。そんな中で、e-Sportsを通して様々な世代の交流やコミュニケーションの機会が増えることや、指や頭を動かすことが認知症の予防にもなります。何より新しいことに取り組み、楽しさを共有できる場も増えていくため、心身ともに健康的な生活が送れます。
シニア向けのイベントや施設の増加
e-Sportsの普及に伴い、日本各地でシニア向けのe-Sportsイベントや施設が増えてきています。最近では、介護施設や自治体でもe-Sportsを取り入れ始めていたりとシニア層にもe-Sportsの認知度が上がってきています。
シニア専用e-Sports事業「ISR e-Sports」
神戸にある60歳以上限定のe-Sports施設「ISR e-Sports」は、無料で会員登録をすることができ、利用料は1回(2時間)1,000円。利用者数も多く、簡単なゲームからe-Sports種目のゲームまで、幅広いジャンルのゲームができるそうです。コミュニケーションの場として、シニア世代の孤立防止、楽しくゲームすることで認知症予防にもなったりと、e-Sportsを通して新たな生きがいを見つける人も多いようです。
シニア世代のプロチーム
世界には数え切れないほどのプロチームが存在しますが、その中にはシニア世代で構成されたプロチームももちろん存在します。今回紹介するシニア世代のプロチームは2つ「シルバースナイパーズ」と「マタギスナイパーズ」です。
シルバー・スナイパーズ
スウェーデンのプロe-Sportsチーム。プロチームなので入れ替えなどはあるものの、2022年現在のチームメンバーは3名、今後さらにもう2名ほど追加される予定のようです。現在の平均年齢は73歳で、あの有名なFPSシューティングゲームのCS:GO (Counter Strike: Global Offensive)の大会に出場もしている、凄いチームなんです。ゲーム内の勝率はそれぞれが58%以上という驚きの戦績です。2019年に開催された「ドリームハック・サマー」では、シニア部門で見事に優勝を飾っています。
マタギスナイパーズ
平均年齢65歳以上による日本初のe-Sportsシニアプロチーム「マタギスナイパーズ」。日本で1番高齢化が急速と言われている秋田県のチームで、チーム名も狩猟を生業としていた「マタギ」と、スウェーデンのシニアプロチーム「シルバースナイパーズ」から引用されているそうです。大会などに出場することを目指しながら、高齢者の方や子供たちとゲームを通して、コミュニケーションをとることも視野に入れて活動しているそうです。建築要素の含まれるシューティングゲーム「フォートナイト」をプレイしている選手の、現役時代の職業が建築関係だったと聞いたときは、現役時代に関連のあるゲームを選ぶ人もいるんだと感心させられました。
Youtubeにも動画が挙げられており、マタギスナイパーズのメンバー紹介や活動についての動画も挙げられているので、是非そちらも見てみてください。
まとめ
今回は、注目を集めているe-Sportsとシニア世代について紹介。e-Sportsを通して、様々な年代の人が一緒に楽しむことができるのは嬉しいことですよね。シニア世代のe-Sportsプロチームや施設があることを知らなかった方も多いと思います。今回の記事を書くとともに、”ゲームを楽しむのに年齢は関係ない、いつ始めても遅くない”そう思わせてくれました。